コラム「少年のように」

#10 「今、ぼくにできることを。」



 「今、ぼくにできることを。」この言葉の素晴らしさを噛み締めています。突如東北を襲った、マグニチュード9.0という驚異的な地震。それに続く津波、火災、そして原子力発電所の水素爆発。連日のテレビ番組には、悲しみの色が宿っています。勿論、奇跡的に生還した人々の笑顔を見るとほっと胸をなでおろすことも出来ますが、以前、死者・行方不明者は増えるばかりです。
 こんな時、ただ傍観するしか出来ないのが、非当事者。助けにも行けないし、物資を送ってやることも出来ません。それをやれば、被災地はますます混乱し、迷惑をかけてしまうことは明らかです。
 今、自分たちに出来ることは、寄付や募金に協力することだけです。関東地方の方々は節電や計画停電の実施もされていますが、西日本にはその要請はまだされていません。勿論節電は心がけてやっています。
 「募金だけ?」と思ってしまう気持ちもあります。でも「たかが100円、されど100円」。小さな積み重ねが大きな金額になって、被災地へ送られる物資の為のお金になります。

 「今、ぼくにできることを。」これは、「仮面ライダー電王」で主人公の良太郎が言っていた台詞です。「時間」がテーマの作品でしたから、「今」を生きる良太郎には「今」がとても大切なキーワードになっていたのだと思います。
 この言葉を聞いた時、とても素敵な言葉だな、と思い、自分の好きな言葉・座右の銘の中に入れました。所々で使っています。「今」、まさにこれの使い時。

 今、自分にできること。それは募金と節電と祈ることです。少ない金額ですがちょっとずつ募金しています。節電は、九州の電力を関東へ送れるのかはわかりませんが、やらないよりはと思い、ストーブをつけるのを我慢しています。冷え性なので寒いですが、厚着・重ね着をして凌いでいます。祈ること、というのは曖昧で何をすることか分かり難いですが、自分にとって唄うことは祈ることにも繋がっています。誰かが「歌が一番祈りが届く」と言っていました。祈りの篭った歌を唄います。勿論、神様にもお祈りはします。

 分かろうと頑張っても、被害に遭われた方々の気持ちは分かりません。長崎は特に、地震が少ない所なので揺れの恐怖も殆ど無いので、本当に分かりません。だけど、だからこそ、出来ることをやります。

 「頑張って」というのが嫌いです。だって自分なんかがぬくぬくした暖かい部屋から「頑張って」と行ったところで、「もう既に頑張ってるわ!」と返されそうですし、実際、被災地にいらっしゃる方は皆頑張っていらっしゃいます。それなのにまだ「頑張って」と言えるほどの人間ではありません。
 ただ「大丈夫」とだけ言わせてください。日本は何度も地震や津波の被害に遭いながらも、ちゃんと復興できてきたのです。心の傷は消えることは無いかもしれませんが、壊れた街はちゃんと元に戻ります。阪神淡路大震災で傷を負った大阪・兵庫だって綺麗になりました。大丈夫、大丈夫です。

 沢山の涙があっても、その分、その倍以上の幸せがやってきますように。



ネットで見つけた「節電中」PRイラスト
  
IDEA FOR LIFEのHPからダウンロードして使えます。



2010.03.18 結