コラム「少年のように」

#07 「方言」



 方言が好きか嫌いかと問われれば、好きと答えます。でも自分は普段、出来るだけ方言を使わないように話そうと心がけています。元々そんなに方言を使った喋り方ではなかったけれど、地方で暮らしているので、自分が普通だと思っている表現やアクセント、イントネーションがその地特有のものであることもあります。なのでいつも気をつけて喋っているのですが、別に、地方で生活しているんだから、方言を使ってもいいじゃない、むしろ使わないと浮くんじゃない?と思われるかも知れません。
 一時期、方言を使うのが楽しくて、よく他の地方の方言を真似して使っていたときがあります。特に使いやすいのが“関西弁”で、テレビなどで仕入れた言葉やイントネーションを使って喋っていました。そして、その弊害が今も自分の中に眠ってしまっています。  高校生になってから、仲良くなった友達に、「イントネーション変だよね」と言われたのです。彼女が聞こえている自分の方言は地方のそれとも違う、「変」なものだったようなのです。言われた時はとてもショックで、その子と会話できない!とさえ思ってしまいました。

 それから、自分の中で「標準語を喋ろう」という気持ちが強く芽生えました。当時から声優が好きだったこともあり、彼らの使う所謂「標準語」を聞いて、正しいイントネーションを学んだり、アクセント辞書を買って調べたりなどして、頑張っていました。それは今、舞台で台詞を言うのにとても役立っています。人の訛りが気になってしまい、よく注意もしています。やっぱり身近な人の音につられて方言が出てしまうときもあります、その時の凹みようと言ったら、ペナルティも何もないのに、一人で反省しています。自分の中で標準語を使う事が綺麗な言葉を使う事と一緒になっているのです。実際は地方の言葉も入り混じって「標準語」は出来ているのだけれど、標準語は“全国共通語”という気がしているのでしょうか。お陰様で「あまり訛ってないね」と言われるようにもなりましたが、出来ればもうすこし自然に標準語が喋れるようになりたいですね。


 そんな自分、最近関西人の出演するテレビ番組を観過ぎたせいか、脳内で考え付く言葉に関西弁が混じりだしました。大変ヤバいです。そのうち、口をついて出た言葉が関西弁になっているかも。



2010.12.09 結